Autono-MaaS(オートノマーズ)とトヨタ自動車が考えるモビリティ・カンパニーへの変革とは

Autono-MaaS(オートノマーズ)とは、Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaS(モビリティサービス)を掛けあわせたトヨタ自動車による自動運転車を利用したモビリティサービスを示す造語である。

トヨタ自動車は、2018年1月にラスベガスで開催されたCES 2018(International Consumer Electronics Show)において、『クルマを作る会社から人々の様々な移動を助ける会社、モビリティ・カンパニーへと変革し、すべての人に移動の自由を、喜びを与えることができるような会社を目指してゆくこと』を豊田章男社長自ら発表した。

この発言は、今後の日本の自動車産業を考える上で、とても大きなターニングポイントになるのではないかと思う。

GAZOO.comは、モビリティ・カンパニーへの変革の布石

そもそも、その布石は1999年頃から打たれていた様だ。インターネットバブルで沸き立つ中、こっそりとスタートしたトヨタ自動車のWEBサービスがある。それが、GAZOO.comだ。

GAZOO.comは顧客とのコミュニティ作りを目的として作られたWebサイトで、約7年といわれるクルマの乗り換えサイクル中のコミュニケーションを改善するために、修理点検以外では接触する機会の少ないユーザーとの接点を生み出すことや若者層にもっとクルマに関心を持ってもらうことを活動目的としていた。

この活動は、豊田章男社長へのインタビューによるとGAZOOの立上げはポケットマネーで購入したパソコンからスタートして、当初はトヨタ自動車社内でも公式に認められたサービスでは無かった様だ。今から20年前に、モビリティ・カンパニーへの変革の布石が打たれていたことには、感服させられる。

トヨタ自動車が、e-Palette(イーパレット)で目指していることは何か?

トヨタ自動車は自動運転システムをアプリケーションとして開放する形で完全自動運転のe-Paletteを提供しようとしている。

例えば、自動運転に必要なルート機能などは、e-Paletteを運用する業者が作り込んだ方がトヨタが作り込むより、良いものができるというオープンな考えである。

その上で、事故などを起こさない部分はトヨタ自動車がしっかりと作り込んで、「トヨタガーディアン」として提供する。

スマートフォンに例えるなら、セキュリティや通信など安全かつ法令遵守に必要な機能はAppleやGoogleがOSとして提供しているように、トヨタ自動車もトヨタガーディアンを提供してインフラを整えてゆく考えだ。

MaaS関連用語

Autono-MaaS(オートノマーズ)

Autonomous Vehicle(自動運転車)」と「MaaS(モビリティサービス)」を融合させた、トヨタによる自動運転車を利用したモビリティサービスを示す造語。

e-Palette(イーパレット)

トヨタ自動車が2018年に発表した、移動・物流・物販など多目的に使えるMaaS向けの多目的EV自動運転車。次世代のモビリティの在り方を象徴するモデルとして、無限の可能性を秘めたコンセプトモデルとしてさまざまな活用方法が各所で模索されている。

Toyota Guardian(トヨタガーディアン)

人間のドライバーが常にクルマをコントロールする前提で、事故が起こりそう、もしくは実際に差し迫っている際に、ガーディアンがドライバーによる操作と協調させながら正確な回避につなげる」、運転を助けてくれる機能として開発がされている技術。