遂に自動運転車が東京2020オリンピック・パラリンピックで走る。トヨタ自動車のAutono-MaaS専用EV車e-Paletteに注目しておきたい。


<トヨタ自動車のリリースより引用>

オリンピックに向けて、ワールドワイドパートナーのトヨタ自動車の動きには注目しておきたい。
特に、自動運転など交通に関して法規制の多い日本国内においては、グローバル市場へ向け日本の技術力を披露できる機会であるオリンピックでの取り組みには期待してしまう。

2019年10月に開催の東京モーターショー2019も車のショーというよりは、モビリティショーの側面が強くなってきている様だ。展示テーマもシェアリングやMaaS(Mobility as a Service)に関する車両やサービスが増えるはずだ。

先日、トヨタ自動車から発信されたニュースリリースによると東京2020専用仕様車として、e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)がトヨタ初のAutono-MaaS専用EVとして選手村に十数台導入され、選手村内の巡回バスとして大会関係者や選手の移動をサポートするそうだ。
ちなみに、Autono-MaaSとは、Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaS(Mobility-as-a-Serviceモビリティサービス)を融合させたトヨタによる自動運転車を利用したモビリティサービスを示す造語である。

SAEレベル4相当の自動運転で人を運ぶ

今回の取り組みで注目すべき点は、自動運転(SAEレベル4相当)による運行を予定していることである。SAEレベル4とは、システムが特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行い、システムが緊急時の対応も行うことができるレベルの自動運転である。

今回は、安全面にも配慮し各車両に1人オペレーターが搭乗し自動運転による運行をモニタリングするとともに各車両の運行状況を統合的に管理するシステムを搭載しているのだが、SAEレベル5は場所の限定もなくシステムが全てを操作する完全な自動運転ができるレベルでもあるので、人を載せてSAEレベル4相当の自動運転を走らせることができるレベルに達していることには期待感を膨らませてしまう。

e-Palette(イーパレット:東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)は、低速自動運転を実現する。

e-Paletteは、トヨタの車両制御プラットフォームに専用開発の自動運転システム(自動運転制御ハードウェアおよびソフトウェア、カメラやLiDARなどのセンサー)を搭載し、高精度3Dマップと運行管理により、SAE4レベル4相当の低速自動運転を実現する。

LiDAR(ライダー)は、「Light Detection and Ranging(光検出と測距)」の頭文字をとった言葉で、光を用いたリモートセンシング技術の一つで、対象物までの距離を計測したり対象物の性質を特定したりする光センサー技術で、自動運転では眼の役割を果たす。周囲360°の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な速度で運行し、システム異常時には、車両に同乗するオペレーターが安全に車両を停止できる緊急停止ブレーキを装備している。
また、自動運転時に歩行者とコミュニケーションができるよう、アイコンタクトのように車両の状況を周りに知らせるフロント及びリアのランプも採用されている。

e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)は、第46回東京モーターショー2019トヨタブースに出展されるとのことなので、現物車を見るのが楽しみであある。